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こんにちは!子育てブロガーのIChi@です。
三人目の子どもが生まれて育休を取得してブログを書いています
皆さんは『半育休』という育休の取り方を知っていますか?
半育休は、育休中であっても一時的に仕事をすることで育児休業給付金を受け取りながら給与を貰うことができる育休の取り方です。
一見するとメリットがあって良さそうですが、デメリットや注意点もあります。
今回は「半育休の仕組みやメリット・デメリット、注意点、疑問点」についてどこよりも分かりやすく解説します。
半育休とは、「育児休業期間中に本業・副業を問わず限定的に働くこと」を言います。
育児・介護休業法上の「育児休業」は、「子を養育する労働者が取得できる休業」なので、原則として育児休業中に働くことは想定されていません。
しかし、労使の話し合いによって一時的・臨時的に就労することが可能となっています。
ちなみに「半育休」という言葉自体は法律上の用語ではありません。
しかし、育休を取りながら働くことは法律で認められているので、男女問わず、半育休のスタイルで働くことができます。
半育休には次のようなメリットがあります。
- 仕事の引継ぎや職場復帰がスムーズになる
- 育児休業給付金と給与を同時に貰える
男性が育休の取得をためらう理由として多いのが、仕事の引き継ぎや職場復帰への不安。
仕事から長期間離脱するには自身の業務を整理して引き継ぐ必要がありますし、育休期間が終われば職場に復帰しなくてはいけません。
半育休を活用すれば、必要に応じて一時的・臨時的に就労することで、
- 仕事を引き継いだ同僚のサポート
- 引き継げなかった仕事の継続
- 仕事勘が鈍ることがない
- タイムリーに会社の状況が把握できる
など育休を取りながら柔軟に働くことが可能になります。
条件を満たしていれば育休給付金と働いた分の給与が同時にもらうことが可能です。
そして、育休期間中と同様に半育休中も社会保険料が免除となります。
育休期間中の収入が減ってしまうことが心配な人も
収入が減らないなら育休を取ろうかな
と思えるはずです。
ただし、給付金を満額受給するには条件があり、働き過ぎると減額されてしまいますので注意が必要です。
一方で半育休のデメリットは、「育休も仕事も中途半端になる」可能性があることです。
- 仕事から完全に離れることができない
- 家事や育児のための時間が減ってしまう
- 一時的な就労でできる仕事も限定的
- 同僚の仕事がやりづらくなる
男性育休の本来の目的は、家事・育児による妻の心身をサポートすること。
半育休により完全に仕事から離れることができずに家事・育児が中途半端になってしまっては育休取得の意味がありません。
また、仕事面も一時的・臨時的な就労ではできることが限られてしまい、かえって同僚の仕事がやりづらくなってしまう懸念があります。
半育休の働き方には条件があります。
条件を満たさない場合は育児休業給付金が支給されなかったり、社会保険料が免除にならず、かえって損をしてしまいます。
次のようなケースは半育休と認められないのでご注意ください!
厚生労働省のHPによると「1支給単位期間において、就労している日数が10日(10日を超える場合は、就労している時間が80時間)以下であることが必要」と記載されています。
つまり、育児休業給付金を受け取りながら働くには、
- 月の就労日時を10日以下
- 10日を超えた場合、就労時間を80時間以内
とする必要があります
半育休とはあくまで「一時的・臨時的」な場合に限定されます。
そのため、あらかじめ決められた時間(例えば1日4時間で月20日間)で勤務する場合や、毎週特定の曜日または時間帯に勤務する場合は育児休業をしている状態にあたらず、「一時的・臨時的就労」とみなされません。
【一時的・臨時的に就労する場合の例】※厚生労働省HP参照
例①:大災害が発生し交通網や通信網が寸断されたため、出社できない従業員が多数発生している状況において、臨時的な災害対応として育児休業取得中の従業員が出社又はテレワークで作業する場合
例②:育児休業の開始当初は全日を休業していたが、突発的に発生した事態に対応するため、その都度事業主と合意の上、他の物では手当てできない臨時の業務を行う場合(テレワークを含む)
働く理由をしっかりと整理しておいた方が良さそうですね
育児休業中の従業員を対象とした在宅勤務制度や短時間勤務制度をあらかじめ事業主が整備し利用した場合は、半育休には該当しません。あくまで突発的な事態への対処としてのテレワークのみ可能です。
育児休業給付金を貰いながら賃金を得ることができます。
ただし、育児休業給付金を満額貰うには条件があるので注意しましょう。
育児休業給付金の支給額は次の計算式で算出されます。
育休中に就労しない場合(通常の育休)
⇒ 月額賃金 × 67%(※6か月経過後は50%)
育休中に就労した場合(半育休)
賃金が月額賃金の13%(※6ヶ月経過後は30%)以下の場合
⇒ 減額されません
賃金が賃金月額の13%(※6ヶ月経過後は30%)を越え80%未満の場合
⇒ 賃金月額×80%−賃金=育児休業給付金の支給額
※給付額上限:「賃金月額」が454,200円を超える場合は、「賃金月額」は454,200円で計算して、育児休業給付金の上限額は304,314円(6ヶ月経過後:227,100円)となります。
つまり、半育休の場合は、育児休業給付金と働いた分の賃金の合計が月額賃金の80%までとなっているため、上限を超えて働いてしまうとその分だけ育児休業給付金の支給額が減額されてしまいます。
月額賃金が25万の場合
月額賃金の80% =200,000円
⇒育児休業給付金と賃金の合計の上限
- 育休6か月まで
⇒育児休業給付金額:167,500円(67%)
賃金:32,500円(13%)
- 育休6か月以降
⇒育児休業給付金額:125,00円(50%)
賃金:75,000円(30%)
また、育児休業給付金の受給中であっても、雇用主から支払われた賃金に対する雇用保険を支払う必要があります。
どうせ働くなら損しないようにしたいですね
ちなみに育児休業給付金にも給付額上限(304,314円)がありますのでご注意ください。
※2022年1月時点
育児休業給付金についてはコチラの記事で解説しています▼
実は副業収入は育児休業給付金に影響しません。
副業の場合
副業収入に上限はありません。
⇒ 減額されません
半育休による80%の収入上限に抵触するのは、あくまでも「雇用保険の被保険者となっている会社の仕事」のみです。
つまり副業による収入であれば、育児休業給付金の支給上限への影響はありません。
ただし、副業であっても労働時間が月80時間を超過すると育児休業給付金の支給対象からは外れるのでご注意ください。
半育休でも子どもを保育園に預けることはできます。
基本的には育児休業中の基準と同じように「保育を必要とする事由」を満たしていれば原則として継続利用が可能です。
- 就労(フルタイム、パートタイム、夜間、居宅内の労働など)
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障害
- 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動(起業準備を含む)
- 就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
- その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
自治体により空き状況などに差がありますので、実際には住んでいる地域の自治体に確認しましょう。
公務員には半育休の働き方はありません。
公務員の場合、育休を取った職員の業務処理が困難な場合の対応として「育休期間を限度とした任期付採用または臨時的任用」を行うよう法律※に記載されていますが、育休取得者の一時的・臨時的な就労を認める特例処置については明記されていません。
したがって、半育休は労使の話し合いよって決まる特例処置ですが、公務員の場合は法律に規定がないことから半育休の働き方はできません。
※参照:国家公務員の育児休業等に関する法律、地方公務員の育児休業等に関する法律
通常の育休と同じく勤務先に申請します。
現状、多く会社で半育休の前例がないことから具体的な手続きや条件はケースバイケースになることが多いようです。
半育休の希望がある場合は、上司や人事担当者と「半育休と認められる働き方」や「一時的・臨時的就労の賃金計算」について上司や人事担当者と確認しておくと良いです。
ただし、育休開始前から「毎週〇曜日の〇時~〇時」などあらかじめ就業予定を決めてしまうと、恒常的・定期的な就労となり半育休とみなされないので、就労する日や時間はその都度話し合いより決めていく必要があるので注意しましょう。
半育休は、育児休業給付金を貰いながら賃金収入も得られる金銭面の不安、育児休業によって仕事から完全に離れてしまう不安を減らす効果があります。
個人的には、まるまる育休を取得できるなら育休の目的を最大限に達成するために、通常の育休取得を目指して欲しいです。
しかし、金銭面や仕事面を考慮して
「働きながらでも育休が取れるなら・・・」
という方には柔軟な選択肢として検討してみる価値があります。
半育休もちゃんとした育休です。
うまくいけば家庭にも仕事にも両方コミットできるかもしれませんね。
この記事が「なんとしてでも育休を取得したい」という方のお役に立てれば嬉しいです。